スクロールバースクリプト

2009/04/06

必要なものを研究する

私は今,大学院修士2年になり就職活動をしている.
昨年暮れまで本気で悩んでいた.


博士課程進学か,就職か.


私は答えを探していた.
私は大学生の頃,大学教授になりたかった.
だから博士課程に進学し,
博士号を取得するのは当たり前だと思っていた.

しかし大学を卒業するくらいから,私の心は揺れ始めた.


本当にそれでいいのか,と.


悩み始めた理由はいくつかあるが,きっと一番大きい理由は
研究室での研究が楽しくて楽しくてしょうがない,と思えなかったことだろう.
研究がつまらなくてつまらなくてしょうがない,というわけでもない.
そして,研究室が悪いわけでもない.
教授,先輩,後輩と議論し合い,それなりの研究生活が送れていると思う.

しかし,博士課程進学か就職かという岐路に立ったとき,私は迷い始めた.

ポスドクのチャンスが小さいから?
博士卒だと就職が厳しいから?
親が定年退職しているから?
30歳で学生では男としてのケジメをつけられないから?
単に就職したいから?

迷い始めた時点で,きっと心は就職を向いていたんだと思う.
でも就職するという方向に踏み出せない.

それはなぜか?

一度博士号を目指した私は,
就職することが逃げであり,挫折であると,心のどこかで思っていた.
だから無意識のうちにずっと「博士進学のダメなところ」を探していた.
博士進学という選択肢を一所懸命つぶそうとしていた.

でもつぶせなかった.

教授や仲の良い助教に聞くと決まって「博士号は必要だ」という.
たしかにそうだ.
名刺に,博士号は書かれるが,修士号は書かれない.
海外に行けば,
博士号を持っている人間だけ研究者と認められ,「Dr.○○」と呼ばれる.
取得したほうが良いに決まっている.
それなのに修士で就職してしまうことは,博士号から逃げることなんだ.

父親に相談すると,一言,
「お前はいったん社会に出ろ」という言葉が返ってきた.
私はその言葉の真意もつかめずモヤモヤ彷徨っていた.

そんな悶々した気持ちのまま就職活動を行っていた.

そんなあるとき,私の志望する会社の社員の方にOB訪問した.
そこであるアドバイスをもらった.

「ひとつアドバイスをしよう.
そこに“時間軸”を入れて考えてごらん.
“今”,『博士号を取得しない!』って決める必要はないんじゃない?」

私は小説の一節のように本当に,
胸の中のモヤモヤがスーッと消えていくのを感じた.

ああ,そうか.
博士号の道をつぶす必要はないんだ.
今働きたいなら働いて,
博士号が必要だと思ったら,そのとき取ればいい.
自分の意志次第で,方法とチャンスはいくらでもある.
そして今,私の場合,闇雲に進んで研究する博士課程よりも,
「必要だ!」と思ってから,どうにかして進んだ博士課程のほうが得るものが多いと感じる.

そんな答えに辿り着いた.
そしてやっと,心おきなく就職活動を始めた.


あんなに悩んだ私が志望する職種は“研究開発職”だ.
不思議とここに迷いはない.
これはなんでだろう.
最近,就職活動に行き詰まりながら,そんなことを考えていた.

そして今日,
お気に入りの椅子でクルクル回りながら,明日の面接の準備をしているとき,
ふとこんなことが頭に浮かんだ.

必要なものを研究したい

私が散々ぐるぐるぐるぐる悩んだ答えはこれだったんじゃないか.
やりがいは感じるが楽しさをあまり感じない大学での研究.
でも企業では研究開発がしたい.
自動車は好きだけど,自動車そのものを作りたいわけじゃない.

何か活かせるもの
将来役立つもの
いつか世界を変えるもの

そんな“必要なもの”を研究したかったんだ.
それは今,ニーズとして目に見えていなくても構わない.
“これをこう活かす,そのために今,この研究が必要だ”
そんなモチベーションで研究をやってみたいんだなぁ,きっと.

私が,将来必要性を感じて博士課程に進学したほうがきっと実り多い,と思ったのも,
父親が「お前はいったん社会に出ろ」と言ったのも,
そういうことだったのかなぁ,と今思う.

何が必要なのか知る

どうやら私はこのために,進学ではなく,就職をするようです.




内定もらえればね(泣笑)

1 comments:

遠井園 さんのコメント...

ほぅ。

確か誰かさんも就職活動か否かのときに同じことを思ったよ。
研究が生活に直結する瞬間に立ち会いたい。
とかなんとか。
そして社会に出て2年目に突入した彼が思うこと…

つづきは今度会ったときに話すとしよう。

あ、ヒラ用の服、用意してあるから♪

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